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日本は、私にとって正しい場所でした

日本で頑張るリアルワン君にニャパンがインタビューする

『Akadama FAN(Friends Actual Note)』。

第4弾~イギリスからきたピータさん

◆どうして、日本にきたのですか?

10代の頃から、若い人をサポートするのが夢でした! 大学へは教会プロジェクトの仕事と両立しながら通い、卒業後はイギリスで児童養護施設のNPOのマネジメントチームに入りました。大学院へ進み、日本の児童養護施設に関する研究論文を読み、また講演を聞く機会がありました。日本は裕福な国というイメージだったのに、NPOの大変な状況が報告されていて、胸が痛みました。修士論文で日本のNPOの課題を取り上げようと、リサーチのためにはじめて日本に来たのが3年半前。2ヵ月滞在し、東京、奈良、大阪、京都、浜松で、NPO、児童養護施設、小学校、フリースクールを周り、先生や生徒を含め50名以上へインタビューしました。

◆イギリスと日本のNPO の違いはどんな点ですか?

イギリスでも、児童養護施設に住んでいる、学校に行きたくない、ひきこもり、両親がいないなど、若い人は日本と同じ問題を抱えています。違うのは、イギリスのNPOにはお金があること。政府がしっかり資金援助をしているので、働くスタッフの給与もいいのですが、日本のNPOはお金がないし、働く人の給料も驚くほど低い。また、イギリスでは小さな社会問題もメディアが大きく取り上げるので、誰もが問題意識を持っています。クリスマスになれば寄付を募る広告で溢れ、コンビニはいつも募金箱がある。NPOが活動しやすい文化が構築されています。さかのぼると、イギリスには200年前からNPOが存在していて、歴史も深いです。一方日本は、同じ問題があってもメディアはあまり扱わない。なので、日本人が擁護施設について話題にしているのをあまり聞いたことがありません。知る機会がないから、無関心になるのは当然かもしれません……。

◆取材旅行の際に日本で印象に残ったことはありますか?

奈良で出会った先生は、ひきこもりの子供を支援するプロジェクトを自分のお金で立ち上げて、自分の仕事が終わった後のプライベートな時間で活動をしていました。身を削って、若い人を助けている挑戦に心を打たれました。イギリス人の私はNPOから給料を得て活動しているのに、日本のNPOはまるで趣味やボランティアのように捉えられているのが残念。そんな環境で頑張っている日本人の力になりたいと、居ても立っても居られなくなって、2014年1月についに日本に引っ越してきたんです。

◆なぜ、札幌を選んだのですか?

たまたま(笑)。北海道大学の先生に知り合いがいて「行ってみたいな~」と、日本語学校を検索して『北海道グローバルリンクス』がヒット。早速、「日本に住んで、日本語を勉強したい」とメールしたところ、「日本語を勉強しながら、ここで英語教師のバイトもしませんか?」と返事があり、スカイプで話をしたんです。私は日本語がわからないし、相手もあまり英語がわからない。なのに、「ここは学校だけじゃなくコミュニティ。将来はフリースクールを作って若い人を手伝いたい」と、私が抱いている夢とリンクしていることが伝わってきたのです。とてもラッキーな出会いになりました。

◆日本ではいい出会いがたくさんあったのですね?

たくさんの出会いで刺激を受けています。中でも、最大の出会いは結婚相手のおーちゃんです。私の趣味は絵を描くことなので、彼が新しくゲストハウスを作る時、友人に紹介されてリフォームを手伝ったのがきっかけ。徐々に親しくなり、彼のスペシャルな人柄に惹かれました。誠実で心が広くオープン。問題を抱えている人を見ると、なにか手助けしたいと頑張っちゃうんです。

彼のゲストハウスには時々、問題を抱えた若い人が訪れます。そうすると、「どうやって話をすればいい?」と相談を受け、私も一緒に話を聞くこともあります。

◆将来の夢を教えてください。

さまざまな理由で高校卒業できなかった子供たちは、問題を抱える傾向が強いです。イギリスでは、一度高校を離れても、また戻れるチャンスが用意されていますが、日本は一度やめると戻るのは困難。けれど、いいプロジェクトと出会えれば、希望を見つけることができます! 現在の日本で児童養護施設は、16、17歳で出なければなりませんが、そこから20歳までの2、3年間が、大人になる重要な時期。私たちは、居場所のない若い人と一緒に住める『安全な家』を作るのが目標です。郊外ののどかな場所に大きな家を買って、半分はゲストハウス、半分は夫婦の家で、他に若い人たちが一緒に住むことができる部屋を用意して、一緒に料理したり、洗濯したり。イギリスには小規模で家族的な養護施設が多いんですよ。家族がいない人も学校にも通えて、愛してくれる人、サポートする人がいることが大事です。彼と二人で夢に向かって準備を進めています。

◆これからもずっと日本に住むのですか?

結婚する前から、日本にずっと住みたいと思っていました。日本は私の正しい場所だと感じたからです。オープンな気持ちで、夢を叶えられる環境があって、それをサポートしてくれる人達がいる場所。私は札幌でしたが、どんな人にも正しい場所があるはずです。イギリスだけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、他の国々でも同じ若い人の問題があって、根本的な理由は「自分の場所がない」こと。そのために、若い人が未来への希望を失ってしまう。「正しい」というのは「自分が満足できる」という意味でもあります。多くの人はお金がほしい、名誉がほしい、仕事がほしい、家がほしい。ほしい、ほしい。でも、掴んだものを握りしめて離さないのではなく、手を開いて辛いこともいいことも、多くの人とシェアすることが、幸せを創っていくはず。相手のストーリーを聞いて、私のストーリーもシェアして、生み出される関係性の中で、助けたり、助けられることが、私のよろこびです。

◆日本で困ったことはありますか?

日本はテクノロジーが発達しているし、カスターマーサービスも素晴らしいのに、なぜか役所関係の手続きはアナログ! 提出書類は全部手書きで日本独特の書式。何度も足を運ばなければいけないし、イギリスから書類を取り寄せなきゃいけないのは大変。日本はなんでも早いのに、不思議ですね。結婚の手続きも超大変でした。

◆日本の好きなところは?

日本人が好き! いい友達がいっぱいできました。日本に住んだ経験のあるイギリスの友人からは「日本人はシャイだし、日本語が上手じゃないと、友達をつくるのは難しいよ」と聞いていたのですが、全然違いました。こちらからオープンに接すれば、仲良くなれます。日本語はもちろん難しいけどトライ! 札幌は人も素敵だし、食べ物もおいしい。スープカレー、ジンギスカン、おすし。ソフトクリームやチーズケーキも絶品。札幌に住んでよかった。これからも、もっと日本で経験を積んで、いろいろなプロジェクトで学んで、つながって、若い人を応援していきたいです。

◆ニャパン後記◆

若い人と一緒に働くという夢を、実践と学びを両立しながら追い続けているピータさん。夢を共に目指すパートナーは、札幌でゲストハウスを3店舗運営し、海外旅行者、留学生の力になっている「大畑さん(通称:おーちゃん)」。先日行われたお二人の結婚式に、ニャパンもお邪魔。たくさんの友人が集う教会式は美しく厳かで感動的。パーティはアウトドアスタイルで、自由に歌って踊って、誰もが笑顔で二人を祝福する素敵な時間でした。ピータさん&おーちゃんから、幸せをシェアしてもらいました。おめでとうございます&どうぞお幸せに。ニャパンもオープンマインドで幸せになるぞ💛

★おーちゃんの運営するアットホームな「ゲストハウス365」


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