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百聞は一見にしかず!パンクでロックな長唄三味線体験


「長唄とか三味線とか、古臭いし、なんとなくかったるそう~」と、勝手に思い込んでいました。江戸時代から脈々と受け継がれている伝統芸能だから「すごい」に違いないはずなのに、イメージ先行で何も知らないとは日本人として実に情けない……。

そこで、今回ニャパンがやってきたのは観光客で賑わう浅草、雷門の通りの反対側にある個性的な佇まいのビル「浅草文化観光センター」。

ここは、観光案内はもちろん日本の伝統芸能を体験が出来るイベントが行われています。海外旅行者に大人気という『長唄三味線体験プログラム』があると聞きつけ参加してきました。

講師は長唄今藤流四世家元、今藤長十郎さん! 長唄三味線の演奏家であり作曲家。昨年はニューヨークのカーネギーホールで行った演奏会は大入り満員。海外からも絶賛された日本が誇る伝統芸を牽引する美しい女性家元から直々にレクチャーを無料で受けられるレアな機会。会場にはフィジー、タイ、中国、日本と多国籍な参加者でいっぱい。熱気がムンムン!

素敵な着物姿で登場したお家元がまずは「長唄三味線」について丁解に解説してくれました。長唄は歌舞伎音楽として発祥し、三味線音楽として発展した日本の伝統的な音楽。太鼓や笛を演奏する囃子方(はやしかた)、歌を謳う唄方、三味線を演奏する三味線方で構成されています。

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三味線は、棹は弦楽器で、ばちで弾く部分は打楽器、弦楽器と打楽器が合体している珍しい楽器なんだそう。

弦は絹糸を寄ってつくっているため、演奏中に伸びてしまうので、1曲の間に何度も調節が必要という繊細さ。

歌、三味線、打楽器の三位一体を取り仕切るのが「立三味線」と呼ばれる首席。解説の後、実際に長唄演奏を鑑賞。演奏中に「はっ」「よっ」と言った掛け声で調子を合わせるのが、めちゃくちゃかっこいい。さらに、ちょっとしたアクションや空気で進行を伝えて、曲を美しく進行していくのは神業。長唄の演奏披露には参加者全員が釘付けに! たった3本の弦を自由自在に素早く操る着物姿の奏者達の凛とした姿はまさに圧巻。三味線をガシガシ弾き、鼓をポンポンと鳴らす迫力ある演奏に、ゆったり伸びやかな歌声が重なると、鳥肌が立つほどの感動。各パートが混ざり合い、じわじわと熱く高まる波動に細胞の奥深くまで揺さぶられました。

「なんなんだ、この速弾きは!」「弦は3本しかないの?」「太鼓の深い響きがたまらない」と拍手喝采。感動によいしれつつ、ついに待ちに待った三味線体験へ。

参加者全員に三味線が手渡され、バチの持ち方から丁寧に教えていただきました。バチはしゃもじみたいに握るんじゃないんです! 独特な持ち方、弦のはじき方、止め方も、素人には一筋縄ではいきません。汗だくになりながら「さくら」のワンフレーズを夢中で練習しました。必死で三味線と格闘するあっという間の1時間。

「こんな三味線のすごさを、今まで誰も教えてくれなかったぢゃん!!」と逆切れしつつ、目からウロコの魅力を体感。

もっともっと知りたい思いが強くなりました。海外からの参加者も「ワンダフル!」「ビューティフル」と大喜び。自国の文化は得てして、海外からの評価のほうが高かったりしますよね。「灯台下暗し!」と反省するニャパンなのでした。

長唄を鑑賞する機会はいろいろあります。家元のお父様、人間国宝でもあった三世今藤長十郎三回忌追悼公演が5月28日に歌舞伎座で行われます。浅草文化観光センターでの「長唄三味線体験プログラム」は今後も開催される予定です。ぜひチェックしてください。


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