建物の中に建物がある?!日本の様式美を体験せよ

November 19, 2016

 

最大で1度に3000人が一気に渡るという、世界的にも有名になったスクランブル交差点。そして、お約束のハチ公前での記念撮影。「それだけじゃ、ベタすぎる……」という渋谷を訪れた旅行者の方にオススメのすごいサプライズがあります!国道246沿いにそびえる近代的高層ビル『セルリアンタワー』に足を伸ばせば、地下2階の空間で日本の伝統文化を伝える能楽堂が迎えてくれます。

 

静かに佇む圧巻の姿は思わず息を飲むはず。これは、室町時代からに盛んになった日本最古の演劇芸術である能を演じるために作られた建物。舞台は4本の柱に囲まれた京間3間の広さで、奥に描かれている松絵は、能の前身である猿楽がかつては神にささげる儀式として、観客ではなく松の前で演じられていたことに由来しているそうです。舞台前方にかかっている小さなハシゴは、階(きざはし)と呼ばれ、舞台の開始を寺社奉行が命じるためや、お殿様が演者に褒美を与えるために舞台へ上がる時に使ったもので、しまい忘れたわけではありません(笑)。なんてノスタルジックな忘れ形見。能では面をつけて舞台に立つので、実は演者の視界はとても狭く、感覚で舞わなければなりません。そのため4本の柱やきざはしは大切な目印にもなっています。

日本人でさえ少し敷居が高そうな感じがする能ですが、初心者でも魅力を味わうコツを、能楽堂でマネジャーを務める宇田さんに伺ってみると、「思いっ切り想像力を働かせることですね」と笑顔で教えてくれました。シンプルな能の舞台では、演者がくるりと舞台を歩き回るだけで山を越え、小さな道具が大きな岩を表現することもあります。ミニマムな演出から無限に想像を広げていくワクワク感こそが能の醍醐味。さらに、演者がまとう美しい衣装や面は、江戸時代から継承されてきた伝統美が息づき、ため息がもれてしまうほど。ドレスアップしてもジーンズにTシャツでも、能を楽しみたい人を温かく向かえてくれる場所です。主催公演の休憩時間には抹茶&お団子でほっこりもできるおもてなしもうれしい。

 

画像&動画にご登場いただいたのは、能楽シテ方観世流の坂井音雅(さかいおとまさ)さん。シテ方とは能の演目で主役を演じる人のことです。私たちが見学に行った日に、たまたま舞台でお稽古をされていて快く撮影に応じてくださいました。練習なのにすごい迫力!釘づけになって見入ってしまいました。


セルリアンタワー能楽堂では、舞台利用のない日は無料で見学ができるのでHPをチェックしてください。
制作協力:セルリアンタワー能楽堂

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